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留学便り:初めての海外留学とロンドンでの生活(小倉班:畑中勇輝)

2017.11.17


留学便り:初めての海外留学とロンドンでの生活
―Reprogramming and Chromatin Group (Petra Hajkova Lab), MRC London Institute, Imperial College London―


                                              小倉班 畑中勇輝

今年7月より学振PDの最大1年半海外渡航し研究できるシステムを用いて、イギリス・インペリアルカレッジロンドンのPetraラボで研究しています。留学を通して私が感じることをお伝えすることで同じ若手研究者の皆様のご参考になればと思い、拙文ではありますが筆を執らせて頂きました。

 まずロンドンでの生活については、予想通り家賃がとても高いです。シェアでない物件を選ぶとなると、東京の最都会部で住むのと同じくらいは覚悟しないといけないので、単身で来ている人は大体シェアで借りています。物件探しでお勧めするのは日本人の仲介業者にお願いすることです。もちろん仲介手数料はかかりますが、家賃や家具の備え付けなど大家さんと交渉してくれるのでトータルでは安くなり、また今でも些細な相談に乗ってくれるのでとても助かっています。食費に関しては、食材が全体的に安いので自炊をすると日本と同じか少し安いと感じます。日本の調味料も近くのスーパーにあり、米もインターネットで日本米(外国産)をリーズナブルに買えますので、日本食好きの私もあまり不自由はしておりません。ここで渡英前にお勧めするのは、ネットバンクなど海外で使えるデビットカードを作っておくことです。イギリスではあまり現金で支払うことがなく、スーパーでも皆カード払いです。特に学振PDは日本の銀行口座にしか振り込まれないので、この口座を経由してネットの手続きでイギリスの銀行口座に送金したりしています。交通に関して、ロンドン市内は特にだとは思いますが、バスやチューブ(地下鉄)が発達していて、24時間いつでも移動出来ますし便利です。ただ車の運転は日本と比べて非常に荒いので、歩いているときや自転車に乗っているときは注意した方がいいです(実際に歩道を歩いているときに一度ひかれかけました)。

 研究生活については、日本で同分野の研究をしていたということもあり実験や研究することに関してはスムーズに開始できました。実験装置も日本でよく見るものや使っていたものがほとんどなので、妙に安心感がありました。ただ、こちらでは、とにかく取り扱うもの全てについて、申請書類、e-ラーニングや講習さらに知識実技テストのようなものがあります。特に厳しいのは実験動物に関する資格です。規定やシステムに関する内容は割愛させて頂きますが、講習だけでも24時間以上はあるかと思います。また実験動物に関する法律や歴史、取り扱い方法やさらに麻酔薬の知識に関する講習とテストを受ける必要がありました。テストに合格しないと私の研究は一部進まないということで、とても焦りました。テストは各講習の当日中に実施されるので、英語圏でない人は一度でパスするのは少し?難しいそうで、英語が苦手な私も当然一回でパスすることが出来ませんでした。勤務時間は人それぞれですが、土日も実験している人はいるので、この点に関してはあまり日本と変わらないかなと感じました。所内のポスドクコミュニティーが充実している印象で、研究所内の月一の交流会の他、MRC内でのリトリートなど定期的に研究者と交流できます。コミュニケーションについては、英語がとっても苦手な私ですが、日本人の英語は比較的聞き取りやすいとフォローしてくれるので、とにかく何でも話していれば大丈夫かと思います。大事なのは、聞き取れなかったことに関して聞き流さずにもう一度聞き返すことです。皆親切なので、しっかりわかりやすい言葉に置き換えて話してくれます。研究については、とても純粋で、それぞれシンプルな疑問とテーマを持って研究している印象です。Petraとプロジェクトに関してディスカッションしていても、この考え方が私になかった部分ですごく勉強になっています。

 最後に、渡英してまだ4か月ですが、日本で研究してから渡英して良かった感じることは、この生殖エピゲノムという最先端で研究されている本領域に、小倉班のポスドクとして関われたことです。イギリスでも当然、先生方や研究内容について知っているので、自己紹介時などでもそこから話題が広がっていくことがあります。また、参加させて頂いた若手勉強会など研究者間の交流に関する話をすると、他研究機関間との交流機会とその密な連携に、皆から驚かれます。日本での貴重な経験と交流機会は、留学している現在でも生きていることはとても実感しており、先生方の皆様には本当に感謝しております。若手研究者の皆様も、もし海外留学に興味があれば、小心者で英語苦手な私でも研究生活できているので、これまでの経験をもとに、是非一度飛び込んでみることをお勧め致します。



ラボメンバーの皆さま labmembers.jpeg
Harry Leitchさん(左から2人目), Petra Hajkovaさん(左から3人目), 畑中勇輝さん(右から4人目)



研究所
MRCbuilding.jpg


Lab Information
Petra Hajkova Lab
Harry Leitch Lab

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